研究テーマ・研究目標

校内研究

 

研究テーマ

児童生徒一人一人によりよい支援をするために

~自立活動とICT活用に焦点を当てて~

 

テーマ設定の理由について

 昨年度までの2カ年はインシデント・プロセス法を用いた事例検討を行い、その2カ年の事例検討の積み重ねを経て旭スタイルのインシデント・プロセス法を作り上げることができた。旭スタイルのインシデント・プロセス法は①実態把握にCo-MaMeのアセスメントシートを活用②課題に対しての実践を全体に共有する場の設定③旭スタイルの事例検討のタイムスケジュールの3点を特徴にしている。

 今年度は完成した旭スタイルのインシデント・プロセス法を活用しながら、事例検討の蓄積を行っていきたい。旭分校では、今年度、教師の入れ替わりが多く、互いに共通理解しながら課題に対応することや個々の専門性を向上させていくことが必要だと考える。また、入院期間の短期化、転出の見通しの持ちにくさが課題となっており、必要な時に検討でき、明日に活かせる研究会を設定することが必要だと考える。そのため、事例検討の研究の対象については、児童生徒の生活の基盤となる「自立活動」に絞り、事例検討を通して児童生徒の実態把握、課題設定、指導支援等について話し合いを行っていきたい。

 また昨年度までの2カ年で事例検討を重ねた結果、生徒の課題として道徳面での課題、コミュニケーション面での課題、ネットトラブルの課題が多く挙げられた。この3つの課題の解決に迫るためには情報モラルの研究・研修を積み重ねていく必要があると考える。情報モラル教育で、ICTの知識が重要なことは言うまでもないが、もう一つ重要なことは、日常モラル(思いやり、ルールの理解と遵守、人権感覚等)がベースになっているということである。情報モラルの研究・研修を重ね、実践していくことで、昨年度多く挙げられた生徒の3つの課題解決に繋げられるのではないかと考える。

 情報モラルの研究・研修と並行しながら、今年度もICT研修に力を入れていく。昨今の教育においてICT教育の重要性は年々高まっている。生徒のICT能力の向上を図るためには教員一人ひとりのICT能力の向上をすることが急務である。ICT支援員と連携しながら、毎月一回ICT研修会を実施していき、教員一人ひとりのICT能力の向上に繋げていきたい。

 また旭分校は山梨県立北病院に隣接している特別支援学校であり、精神疾患の児童生徒を対象としていることから、病理や心理についての理解を深めるために文献研究にも取り組む。アメリカ国立訓練研究所から出された学習モデル、ラーニングピラミッドによる学習定着率を参考にすると、「他の人に教える」という学習方法が90%の定着率につながるとされている。このことから、文献研究は個々の研究で終わらせるのではなく、グループに分かれ、少人数で話し合い、学んだことを教え合うことで教員一人一人が学んだ知識の定着と共有を図っていきたい。

 今年度の研究は、取り組む内容が多様化しており、実施回数も多くなっていることは否めない。ただ、昨年度は学部研究の時間内で実施し、他の業務に還元できるような内容にすることを心掛けたことで、教員アンケートでは、研究の負担感は少ないという回答を得ることができた。今年度も昨年度同様の心掛けをし、負担感の少ない研究を実施していきたい。また、常に、研究テーマの「児童生徒一人一人によりよい支援をするために」に立ち返り、そのために必要なアプローチとして、事例検討、情報モラル研究・研修、ICT研修、文献研究の4本柱で進めていきたい。

 

研究の目標

(1)自立活動に関する事例研究を通して、児童生徒の実態についての把握力や理解力を高め、適時に適切な指導を行うための、指導力の向上を目指す。

(2)教育実践に関わる様々な研修会を通して、病理や心理についての理解を深め、専門性の向上を図る。

(3)情報モラル教育への理解を深め、指導能力の向上を目指す。

(4)ICTを活用した指導方法の技術向上を目指す。

 

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